『スリー・スペルズ』東京国際芸術祭2008/にしすがも創造舍
2008年03月21日

『スリー・スペルズ』ジャレ+シェルカウイ+ジルベール+フェネスによる一夜(ベルギー)/東京国際芸術祭2008
会場:にしすがも創造舍
会期:2008年3月21日〜23日
入場料:一般4000円
URL:http://tif.anj.or.jp/

先日観てきた『ムネモパーク』と同じ、東京国際芸術祭2008関係です。
『スリー・スペルズ』は、『毛皮のヴィーナス』『ヴェナリ』『アレコ』の3つの小作品で構成されています。それぞれ別の機会に創作・発表された作品ですが、そうとは感じられない程、3つの作品が繋がり、関連し合い、不思議な生と死を感じさせるひとつの作品に仕上がっています。また、ダンス・パフォーマンスだけではない、とてもファッショナブルな印象をうけました。それは、最初の作品『毛皮のヴィーナス』が、モード企画展のため創作された作品で、作中の衣装も高橋盾/アンダーカバーによるものということもあるかもしれません。

この舞台の感想を、しばし放置していました。なので、あまり微細な振りはコメントできません。
しかし、今思い出してみても、「身体で表現する」ということを強く感じさせる踊りでした。振り付けとか、演出とか、演劇的な要素を抜いたレベルでの「表現」です。観ていて「うわぁ〜」と熱くなるシーンがいくつかありました。シンプルだけれど、とても質の高い舞台でした。

『ゴス展』/横浜美術館
2008年03月20日

『ゴス展』
会場:横浜美術館
会期:2007年12月22日〜2008年3月26日
入場料:一般1200円
URL:http://jiu.ac.jp/yma/goth/information.html

日本では、"ゴスロリ(ゴシック・アンド・ロリータ)"という一種のマニアックなサブカルチャーを示す言葉が良く使われます。"ゴス"とは"ゴシック"の略であり、本当は中世ヨーロッパの教会建築や絵画の芸術様式のことです。装飾華美な、時代によっては蔑視さえされていたこの様式を表す言葉が、現代、新しい概念を孕んだ傾向を表すキーワードとして使われています。
会場には、リッキー・スワロー、Dr.ラクラ、束芋、イングリッド・ムワンギー・ヒュッター、ピュ〜ぴる、吉永マサユキの6組のアーティストの作品が、それぞれ空間をしきって展示されています。同じ"ゴス"をキーワードに選ばれた作品ではありますが、全く作品の趣は異なります。どの作家の展示も、独自の世界観を追求しつつ、より内へ内へと突きこもる感があります。
「私が此処に存在している」。とてもシンプルなことですが、その存在の有り様について考えてしまいます。生きていることを実証するかのように、身の回りにあるであろう"死"の存在を強調したり、肉体、精神の改造や痛みにより、反逆的に"生"を感じようとしたり、存在の違和感を払拭を図ったり。ここでアーティストたちが作品を通して試している、自身の存在に対する問いかけが、そのまま観ている私たちにも響いてきます。
観終わった後、体がムズモゾするような、心地悪い気分になりました。"ゴス"というキーワードを通して作品を見なければ、これほどの身体に対する違和感は感じられなかったと思います。今時アート展と思いきや、意外とズシッと重い内容の企画展でした。

『光 -exhibition+performance-』
2008年03月16日

親サイト:gallery LOTTA で作品をご紹介している山崎阿弥さんの個展&パフォーマンスのお知らせです。19日に行なわれるパフォーマンスに、編み物オーケストラとして、私 シナ文も参加させて頂きます。唄いませんよ。踊りませんよ。編み物するだけです。たぶん。。。ちなみに、同じく作品を紹介させていただいているkozooさんも一緒です。皆さま、どうぞ遊びにきてください。

『光 -exhibition+performance-』
会場:東京都世田谷区(下北沢)
会期:2008年3月7日〜17日間
地図など詳細:http://hikariami.exblog.jp/

期間中のパフォーマンス予定
■3月18日(火)19時開演(18:30開場)\1000
 野沢英代(ダンス)×山崎阿弥(声) ⇒詳細
■3月19日(水)19時開演(18:30開場)\1000 
 編み物オーケストラ:
 山崎阿弥+クロイワユミコフ+島田梢+長坂敦子 (歌・声・編み物等)
■3月20日(木)19時開演(18:30開場)\1000
 千葉広樹(ベース、自作楽器)×山崎阿弥(声など)
■3月23日(日)23時開演 (どのような形で行うか未定です。事前の告知をご確認ください)
 小島ゆかり(詩)×山崎阿弥(声・言葉)
※右写真は、編み物オーケストラの打ち合わせに行った際のもの。久々の編み物。手がつる。。。

『ムネモパーク』東京国際芸術祭2008/にしすがも創造舍
2008年03月15日

『ムネモパーク』東京国際芸術祭2008
会場:にしすがも創造舍
会期:2008年3月14日〜17日
入場料:一般4000円
URL:http://tif.anj.or.jp/

出演者は鉄道模型マニアの老人たち。
舞台装置は1/87スイス模型。

このコピーを読んだ瞬間、「観に行くしかない」と決断しました。

東京国際芸術祭(TIF)は、演劇・ダンスなどパフォーミングを紹介する芸術祭で、今期14回目を迎えます。「ムネモパーク」の構成・演出を手掛けているシュテファン・ケーギは、所属しているアートプロジェクト・ユニット「リミニ・プロトコル」で、老人ホームの老人を出演者に起用したり、劇中に観客が持った携帯電話に海外コールセンターから指示を出すなど、話題性の高い作品を発表している。この作品も、スイス・バーゼルに実在する鉄道サークルに所属している鉄道模型マニアの老人4人と、一人の女優、サウンド・クリエーターで構成されている。
舞台いっぱいに蜷局を巻く鉄道模型の線路とジオラマ。前面には鉄道に設置された小型モニターからの映像を投影するスクリーン、脇にはスイスの山並みを描いた風景画。ストーリーは、実際に列車を走らせながら、進行していく。出演者の生い立ちと、スイスそしてバーゼルの政治的・社会的問題、所々に日本の時事問題等、ちょっとしたユーモア、寸劇が微妙な間合いで絡みあう。「アドリブ?」と思ってしまうようなシーンも多いのですが、字幕スクリーンを見る限り、大まかに予定通りの進行のよう。出演者ごとに、全く異なる時代、話題になるので、観客は様々な時間軸と空間軸にその都度放り込まれていく。しかし、鉄道という一つの線路によって、バラバラに見えるセンテンスが、大きな流れとしてしっかり結びつき、観客を飽きさせることがない。
「え、素人?」と思うぐらい、出演者のおじいさん、おばあさんが良い味をだしている。鉄道模型のほうは、細かい作業が特異な日本人の感覚からすると、「雑?」と感じてしまうところもあるが、模型とそれを作ることに対する愛情は、ひしひしと感じられる。そもそも彼らが属する鉄道サークルでも、展示会や地域住民に対するオープンハウスなどを積極的に行なっているようなので、模型を通じてコミュニケーションを図るのは意にかなったことなのであろう。
「何が劇的に面白かったのか?」と尋ねられたら、正直「う〜ん」とうなってしまう。ただ、目前に素晴らしい鉄道模型とそれを愛し、作り続ける愛すべき人たちがいて、彼らを見ているだけで、何か幸せな気分になれる。そして、スイスや日本の暗く重い社会問題・時事問題が、彼らの目と腕を通して、こんなに分かりやすく、軽やかに、しかしはっきりと、浮き彫りになっていく様が良かったとは応えられる。

終演後、模型を間近でみながら、出演者の方々とお話等をすることができました。私がウサギ小屋を携帯写メで撮影をしていたら、出演者のおじいさんが、ライトで照らしてくださりました。ありがとう!